ネット上に父の投稿、「障がい者の息子へ」広がる共感

DSCF5940ハッピーロードM川です。

2016・8・4 TBSニュースから、一部抜粋させていただきます。

「私は思うのです。長男が、もし障がいをもっていなければ。あなたはもっと、普通の生活を送れていたかもしれないと。私は、考えてしまうのです。長男が、もし障がいをもっていなければ、私たちはもっと楽に暮らしていけたかもしれないと」

「長男が、障がいをもっていなければ」と繰り返された言葉。障がいのある子どもの親が文章を載せたのは、7月29日の未明のことでした。

「何度も夢を見ました。「お父さん、朝だよ、起きてよ」長男が私を揺り起こしに来るのです。「ほら、障がいなんてなかったろ。心配しすぎなんだよ」夢の中で、私は妻に話しかけます。そして目が覚めると、いつもの通りの朝なのです。言葉のしゃべれない長男が、騒いでいます。何と言っているのか、私には分かりません。ああ。またこんな夢を見てしまった。ああ。ごめんね」

この文章を書いたのは、神戸金史記者(49)。長男が3歳で自閉症と診断されました。家族は長男に妻、次男の4人。自身の家族を含め、自閉症の問題について、長年、取材してきました。

「幼い次男は、「お兄ちゃんはしゃべれないんだよ」と言います。いずれ「お前の兄ちゃんは馬鹿だ」と言われ、泣くんだろう。想像すると、私は朝食が喉を通らなくなります。そんな朝を何度も過ごして、突然気が付いたのです。弟よ、お前は人にいじめられるかもしれないが、人をいじめる人にはならないだろう。生まれた時から、障がいのある兄ちゃんがいた。お前の人格は、この兄ちゃんがいた環境で形作られたのだ。お前は優しい、いい男に育つだろう。それから、私ははたと気付いたのです。あなたが生まれたことで、私たち夫婦は悩み考え、それまでとは違う人生を生きてきた。親である私たちでさえ、あなたが生まれなかったら、今の私たちではないのだね」

そして、自閉症の長男から気付かされたこと……

「ああ、息子よ、誰もが健常で生きることはできない。誰かが障がいをもって生きていかなければならない。なぜ、今まで気づかなかったのだろう。私の周りにだって、生まれる前に生絶えた子が、いたはずだ。生まれた時から重い障がいのある子がいたはずだ。交通事故に遭って、車いすで暮らす小学生が、雷に遭って、寝たきりになった中学生が、おかしなワクチン注射を受け、普通に暮らせなくなった高校生が、いたはずだ。私は、運よく生きてきただけだった。それは、誰かが背負ってくれたからだったのだ」

最後は、長男に直接呼びかけます。

「息子よ。君は、弟の代わりに、同級生の代わりに、私の代わりに障がいを持って生まれてきた。老いて寝たきりになる人は、たくさんいる。事故で、唐突に人生を終わる人もいる。人生の最後は誰も動けなくなる。誰もが、次第に障がいを負いながら生きていくのだね。息子よ。あなたが指し示していたのは、私自身のことだった。息子よ。そのままで、いい。それで、うちの子。それが、うちの子。あなたが生まれてきてくれてよかった。私はそう思っている。父より」