「幸せ」ってなんだろう?と考えたことはありませんか? 人生の目標を「幸せになること」と掲げる人は多い一方で、その「幸せ」を具体的に測ることは難しいと感じている人もいるのではないでしょうか。
漠然とした「幸せ」を客観的に測る「尺度」はあるのでしょうか? 実は、この問いに対する答えは一つではありません。
幸せの尺度を考える:様々な視点
幸せの尺度を考えるには、大きく分けて二つの視点があります。一つは、社会や周りの人が判断する「客観的な尺度」、もう一つは、個人が感じる「主観的な尺度」です。
客観的な尺度としては、経済状況、健康状態、社会的地位などが挙げられます。お金持ちであること、健康であること、高い社会的地位にいることは、多くの人にとって幸せの条件と言えるでしょう。
一方、主観的な尺度は、個人の価値観や経験によって大きく異なります。心の満足度、人間関係の充実、自己実現など、人によって重視する点は様々です。
客観的な尺度:社会が示す「幸せ」
社会全体で「幸せ」を測る指標として、GDP(国内総生産)、平均寿命、幸福度ランキングなどが用いられます。
GDPは、国の経済規模を示す指標であり、一般的にGDPが高い国ほど国民の生活水準も高いと考えられています。平均寿命は、国民の健康状態を示す指標であり、長寿であることは幸せな人生を送るための重要な要素と言えるでしょう。幸福度ランキングは、国民の幸福度を調査したもので、ランキング上位の国は、国民が幸せを感じやすい社会環境であると考えられます。
しかし、これらの指標だけで「幸せ」を測ることはできません。GDPが高い国でも貧富の格差が大きく、多くの人が不幸を感じている場合もあります。また、平均寿命が長くても、健康上の問題を抱えていたり、孤独を感じている人もいるかもしれません。幸福度ランキングも、文化や価値観の違いによって結果が左右される可能性があります。
主観的な尺度:個人が感じる「幸せ」
個人が感じる「幸せ」は、客観的な指標だけでは測れません。
心理学者のアブラハム・マズローが提唱した「欲求段階説」では、人間の欲求は、生理的欲求、安全欲求、社会的欲求、承認欲求、自己実現欲求の五段階に分類され、高次の欲求が満たされるほど、人は幸せを感じるとされています。
また、ポジティブ心理学では、幸福感、楽観性、レジリエンス(回復力)、感謝の気持ちなど、心の豊かさに焦点を当て、これらの要素を高めることで、より幸せな人生を送ることができるとされています。
「幸せの尺度」は変化する
人生のどの段階にいるかによっても、「幸せの尺度」は変化します。
若い頃は、恋愛や友情、将来の夢など、未来への希望に満ちた「幸せ」を感じるかもしれません。中年期になると、仕事や家庭、社会的な責任など、現実的な「幸せ」を重視するようになるでしょう。そして、高齢期になると、健康や家族との時間、過去の経験を振り返るなど、穏やかな「幸せ」を求めるようになるかもしれません。
自分だけの幸せの尺度を見つけよう
「幸せ」は、他人と比較するものではありません。大切なのは、自分にとって何が本当に大切なのか、何に喜びや満足を感じるかを知ることです。
自分の価値観を明確にするために、日記を書いたり、瞑想したり、信頼できる人と話をしたりするのも良いでしょう。日常の中で、自分が幸せを感じる瞬間を意識的に記録してみるのもおすすめです。
幸せに近づくためのヒント
幸せに近づくためには、日々の生活の中で、小さな幸せを積み重ねていくことが大切です。
感謝の気持ちを持つこと、目標を持つこと、人との繋がりを大切にすること、そして、自分自身の心と体の健康を保つこと。これらの要素を意識することで、より幸せな人生に近づけるはずです。
まとめ
「幸せに尺度ってある?」という問いに対する答えは、 結論として 「人それぞれ」です。
社会が示す客観的な尺度も、個人が感じる主観的な尺度も、どちらも参考にはなりますが、それにとらわれすぎる必要はありません。
自分にとっての「幸せ」を見つけ、それを実現するために努力していくことが、真の幸せにつながるのではないでしょうか。